男子学生しかいない不思議空間、男子校。
未知なる存在に、下記のような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
このような疑問を抱える読者の方に向けて、男子校のメリットとデメリットをご紹介します。
Contents
男子校は校風で雰囲気が大きく変わる
男子校のメリット・デメリットの本題に入る前に、重要な前提条件をご説明しましょう。
というのも、男子校は「校風」によって結構雰囲気が異なり、学校次第では得られるメリットやデメリットも異なってくるので。
男子校の校風による違い
一口に男子校といっても、校風によって男子校の雰囲気は大きく異なるものです。
主に下記の2軸で大別することができ、校風が違えば生徒の育ち方も変わってきます。
- 革新派⇔保守派
- 自律型⇔管理型
革新派は奇抜・新規性のある取り組みや体験を積極的に行わせる一方、保守方はいわゆる「学校教育」を行わせる傾向に。
自律型は生徒の自主性を重じて好き勝手やらせる一方、管理方は校則や宿題などで厳しく指導する特徴があります。
筆者が通っていた男子校について
つづいて筆者が6年間通っていた男子校について。
学校名の言及は避けますが、先にご紹介した軸を使ってご説明します。
- 革新⇔保守:中庸(若干保守寄り)
- 自律⇔管理:中庸(若干自律寄り)
- 中学偏差値:58~63
- 高校偏差値:68~73
このような感じです。
偏差値がまずまず高い、バランス型の男子校といったところで、運動部の活動が活発な男子校でした。
男子校に通う5つのメリット
それでは、男子校を卒業した筆者が思う「男子校のメリット」を紹介します。
- イジメが少ない
- 純朴な人が多い
- 進学実績が良い
- 真に自由な風土
- 爆笑の連続
(1)イジメが少ない
男子校のメリット1つ目は、イジメが少ないこと。
ゼロでは無いにせよ、世間一般の中高、特に公立校と比較すると少ないと思われます。
中学1,2年の序盤では、ちょっとクセのある子がイジメにあっている光景は見かけましたが、それ以降はほぼゼロに。
この理由について、私なり考察してみました。
①教師が結構厳しいから
筆者の考える男子校にイジメが少ない理由の1つ目は、教師が結構厳しいから。
教師が学生に大して”媚びる”ことが一切なく、道に逸れたことを行うと容赦無くお叱りを受けます。
筆者が男子校に通っていたのは6~12年前の話なので今は違うかもしれませんが、物理的な指導が結構あったものです。
- 体育の授業中に殴る蹴るの鉄拳制裁
- 教室に一人呼び出し着席させた状態で、名簿を使った往復ビンタ
- 四つん這い状態からのシンプルな腹蹴り
- 机椅子の投げつけ
高校に入学してから体罰が社会的な問題となったため頻度は減りましたが、おそらく上記のような指導はもう過去のものでしょう。
ただ、鉄拳制裁はなくなったものの、強い口調で詰めてくる教師の”圧”はきっと生きているはず。
こうした指導を受けて、「悪いこと=ダメ」ということを男子校出身者は反射的に学んでいくものです。
②容姿が重要視されないから
筆者の考える男子校にイジメが少ない理由の2つ目は、容姿が重要視されないから。
当たり前ですが、男子校には女性がいないため「モテるモテない」の概念が存在しません。
そのため、イジメの火種になりがちな「キモい」という概念があまり重要な問題にはならないと。
上記の理由から男子校はイジメが少ない傾向にあるのかなと。
(2)純朴な人が多い
男子校のメリット2つ目は、純朴な人が多いこと。
異性の目が無いため、変にスレたり悪ぶったりする必要が全くないことが理由かと思います。
というのも、先に述べましたが「モテるモテない」という概念がないので、見た目の良し悪しが重要ではないから。
そのため、ピュアに「何かしらで結果を残している人」が評価される傾向にあります。
例えば部活動の実績や成績など。
クセが強い人間であっても、それを理由に揚げ足をとることなく認められる、言うならば「頑張ってるやつを馬鹿にしない風土」。
(3)進学実績・就職実績が良い
男子校のメリット3つ目は、進学実績・就職実績が良いこと。
これは「偏差値がある程度高い」ということが大きな要因な気もしますが、同じランク帯の共学と比較すると、ちょっと上かなと。
理由としては、良くも悪くもやることが「部活」と「勉強」くらいだから。
校風にもよりますが、学校行事もそこまで華やかなものでは無いですし、部活引退後は受験勉強を阻む要因が一切なくなると。
そんなわけで多くの学生が早慶以上には合格した印象です。
お前らは青春を捨てて男子校にきた。勉強しないで何が残る?
受験時に教師からかけられたこの言葉は今でも忘れません。
(4)真に自由な風土
男子校のメリット4つ目は、”真に”自由な風土。
共学の中高でも「自由な風土」を掲げる学校はあるかと思いますが、男子校は同じ「自由」でもレベルが違います。
バカを律してくれる女性がいないからなのか、女性の目を気にする必要がないからなのでしょうか。
中学〜高校卒業まで、完全に「動物園状態」だったと言えます。
- 教室内で始まる本気野球。飛び交うボール
- 教師の下ネタトークで大盛り上がりする授業
- 列という概念が存在せず競りのような注文方法の食堂
バカな自分を押さえ込む必要性が無いので、みな本能の赴くままの生活になると。
(5)爆笑の連続
男子校のメリット5つ目は、爆笑の連続。
先の述べたように、皆バカを押さえ込むことなく、全力でバカを露出していくと。
そのバカを冷ややかな目でみる人が一切おらず、全員がそのバカに乗っかるため「頭の悪い爆笑」がとにかく続きます。
やはり男子しかいない分、自粛するネタもありませんしガヤガヤとできる。
それが自由な風土と相まって常に面白いことがそこら中で起きていました。
あまりにもくだらない笑いだったため、詳しくは覚えていないのですが、みんな常に笑っていたなあというのが印象的です。
男子校に通う3つのデメリット
つづいて、男子校のデメリットを見ていきましょう。
- シンプルに青春要素が少ない
- 染まり切ると大学入学後に辛い
- 視野が広がらない
(1)シンプルに青春要素が少ない
男子校のデメリット1つ目は、シンプルに青春要素が少ないこと。
男子校は面白いのは面白いのですが、決定的に「恋愛」という要素に欠けており「青春」と呼ぶには相応しくありません。
もちろん、男子校にも体育祭や文化祭などのイベントごとはあるはあります。
ただ、そこから生まれるドラマが全く無いんですよね。
体育祭も文化祭も終わったらそこで終了で、何も続かないぶつ切りのストーリーと言ったところです。
(2)染まり切ると大学入学後に辛い
男子校のデメリット2つ目は、染まり切ると大学入学後に辛いということ。
男子校はバカという欲望を解放できる動物園であり、共学とは異なる独特なハイテンションノリが存在します。
このノリを嗜む程度だと大学入学後もすんなりと共学環境に適応できるのですが、芯まで浸かってしまうと事故が発生すると。
(3)視野が広がらない
男子校のデメリット3つ目は、視野が広がらないこと。
みな似たような男子が集まる空間に6年間もいること、そしてやるべきことが「部活」と「勉強」の2つに集約されるからでしょうか。
卒業する頃には同じようなマインドセットの人間ばかりが誕生しているような気がします。
男子校は素晴らしいメリットを教授できる場でもありますが、やはり偏っているためデメリットも少なからず生じるものです。
男子校出身者に良く寄せられる3つの質問
ここまで男子校のデメリットとメリットを紹介してきました。
最後に、良く聞かれる男子校Q&Aを書いておきます。
当たり前ですが、人によります。
ただ、共学出身者と比較すると「できにくい傾向」にあるのは間違いないです。
大学3年時点で一度カウントしてみましたが、クラスの4割程度は孤独な生活を送っていました。
6年間のブランクがあるので、やはりその環境に甘えてしまうと厳しい結果になることも。
一定数はアニメやアイドルなどのオタクになります。
ただ、共学の学生と割合は変わらないのではないのでしょうか。
共学だとオタクを出しにくい環境になるかもしれませんが、男子校だと遠慮なく出せるので、見かけ上は男子校が多いかもしれません。
男子校でしか得られない経験もあった可能性もあるので、明確に後悔しているとは言えません。
ただ、青春できるチャンスを失ったということは明白なので、人生をやり直せるなら早慶大学付属の共学に入りたいです。はい。
結論:男子校も悪くは無い
男子校のメリット・デメリットを筆者の経験談を元にご紹介してきました。
「結局どっちへ行った方が良いの/行かせた方が良いの」という結論は、読者のみなさん次第。
今回ご紹介したメリットとデメリットを比較してみて、どちらが大きいかということに尽きるかと思います。